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- 当院の訪問歯科の特徴
home care future院長に聞く“訪問診療”への思い
専門医師を招くなどして、
摂食嚥下の訓練にも対応
現在、どのような体制で訪問診療を行われていますか?
歯科医院とは別に訪問診療を設けていて、専門の歯科医師や歯科衛生士、コーディネーターが対応しています。
訪問診療の歯科医師が外来診療に関わることはなく、完全に“訪問歯科専門の歯科医師”として診療を行っています。
訪問診療のニーズはいかがですか?
やはり高齢化にともない、増えてきています。
当院は先代の院長、私の父がいた時代から訪問診療を行っているのですが、当時と比べても訪問診療のニーズの高まりを感じていて、10年ほど前はお昼休みを利用して訪問するレベルだったものが、今ではそれでは対応できなくなり、外部に専門の施設を設けた次第です。
山口歯科診療所の訪問診療の特徴は?
摂食嚥下の訓練を行っている点でしょうか。
摂食嚥下の訓練を専門的に行っている先生を月2回招いていて、当院の訪問歯科の歯科医師の指導も含めて、ご対応いただいています。
私もその先生に付いて訪問診療を行っていたことがあるのですが、非常に勉強になりました。
今も試行錯誤を繰り返して
より良いケアを模索しています
訪問診療に力を入れて取り組む理由は?
それは、当院が患者様にとって“最後の歯医者”となることを目指しているからで、最後の歯医者を謳っている以上、訪問診療に力を入れて取り組むのは当然と思っています。
訪問診療で大切に考えられていることは?
口腔ケアでお口を良好な状態にした後は、摂食嚥下が大事で、これは食事ができる・できないに関わってきます。
言い換えれば、それは“命に関わる治療”です。
なので、当院の訪問診療では、摂食嚥下の訓練を大事に考えています。
あと、治療を受けられる方だけでなく、まわりのご家族の“心のケア”にも気を配っています。
認知症の方がいらっしゃる家庭では、ご本人よりもまわりのご家族の負担が大きいケースが多いので、できるだけそのお気持ちに寄り添って診療するようにしています。
どんな時「訪問診療をやって良かった」と感じますか?
患者様のご家族から感謝の言葉をいただいた時です。
以前、こんなことがありました。
ご自宅でターミナルケアを受けられていた患者様がいて、訪問診療で入れ歯をお作りしたのですが、その方が亡くなられた時に奥様がわざわざご来院されて、「最後、家族で食卓を囲むことができました」と涙を流しながらおっしゃるのです。
今でも、その時のことをよく覚えています。
当時は訪問診療に関わるようになって年月が浅く、入れ歯を作るにしても「噛めること」だけを考えていましたが、入れ歯で噛めるようになっても、誤嚥性肺炎で入院することもあり、摂食嚥下の重要性を痛感して以来、専門の先生を招くなどして試行錯誤を繰り返しています。
私は、訪問診療で「治る」とは言いません。実際、良くなることはないのが実情です。
ですが、お口の状態の低下を緩やかにすることはできます。そうして、できる限り口腔機能を維持して、皆様が最後の瞬間を迎えるための準備ができるようにして差し上げること、それが訪問診療では大事だと思っています。